生成AI最新のトレンド事情

April 3, 2024
目次

米国の大手ベンチャーキャピタル会社AndreessenHorowitzの投稿が、ジェネレーティブAIの最新トレンドについて的確に表していました。
今回はその内容を、わかりやすく日本語に訳しながら抜粋し紹介していきます。

■生成AIへの予算は昨年より2.5倍増加

2023年のLLMに対する平均支出額は700万ドルで、2024年までの平均支出額予想は前年から2倍から5倍の額になると見られています。

Andreessen社がヒアリングした数十社の話によると、昨年2023年において、基盤モデルAPI、自己ホスティング、およびファインチューニングモデルの平均支出は700万ドル。2024年には2.5倍の1800万ドルになるという計画を立案。予算は大幅増加し、今後も増加傾向にあります。

■生成AIは恒久利用に推移

およそ4分の3以上の企業が、生成AIの恒久利用を計画しています。

昨年、企業はジェネレーティブAI(人工知能)に投資する予算の多くを、「イノベーション」と呼ばれる特別な予算や一度きりの資金から捻出。しかし、今年になると、多くの企業のリーダーたちは、その予算をもっと普通のソフトウェアの予算に回すようになっています。つまりPoCのようなチャレンジ枠の扱いでなく、ジェネレーティブAIの、恒久的な利用を見越した予算計画になっています。(「イノベーション予算から出している」と回答したリーダーは全体のおよそ4分の1以下のみ)

さらに、一部企業では人件費削減を目的として、カスタマーサービス等の部門にジェネレーティブAIを投資する動きも確認。これは、Andreessen社が言う通り、将来的にジェネレーティブAIへの投資が今後どんどん増えるという兆候にあると見られます。
挙げられたある企業の具体例として、ジェネレーティブAIを使ったカスタマーサービスで、1回の通話につき約6ドルを節約でき、全体で約90%のコスト削減ができるとして、ジェネレーティブAIへの投資を8倍に増やしています。

■2−3の複数モデルを利用する

現時点ではOpenAIが圧倒的な市場シェアを持っていますが、今後活用されるモデル数は増えると見られています。

わずか半年以上前、ほとんどの企業は1つか2つのモデル(主にOpenAIのもの)を試していましたが、今では多くの企業が複数のモデルをテストし、実際に使っています。企業がテストしているモデルの数は増えていると見られ、本番環境で使われるモデル数も増加する見込み。今のところ、OpenAIのモデルが最も多く使われていますが、これからもっと多くのモデルが使われるようになると見られています。

■リスク管理機能の需要が高まる

社内での活用に加え、社外向けにも生成AIを活用していきたいと答えた企業が50%以上いるという回答結果になりました。

社内のユースケースは関心が高まっていますが、社外のユースケースについてはより慎重な対応が必要です。

企業がジェネレーティブAI(人工知能によってコンテンツを生成する技術)に対して持つ2つの大きな懸念点は、まずAIが誤った情報を生成するリスク(いわゆるハルシネーション等の安全性)と、医療や金融などの重要な分野での使用に伴うリスク(公共関係の問題)です。昨年、企業がよく使ったAIの用途は、社内での作業効率化やカスタマーサポートなど、人間がチェックできる範囲のものでした。

2024年も、企業はこのような内部的な用途を重視し、契約の確認や顧客への対応など、もっとリスクの高い用途には慎重になっています。例を挙げると、エアカナダのカスタマーサービスでAIが問題を起こしたようなケースを避けたいと考えており、AIのリスクを管理するツールを開発する企業には今後大きなチャンスがあります。

■まとめ

以上、Andreessen Horowitz社の投稿による生成AIの最新のトレンドについてご紹介しました。

今後も生成AIの最新トレンドや、AIを活用した組織の業務効率化のための情報を発信していきます!

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